忘れてはいけない、ワークライフバランスの前提

昨今、『ワークライフバランス』という考え方をよく耳にします。

仕事もそれ以外の時間も充実させ、一人ひとりが望む生き方をする

これがワークライフバランスの意義です。




厚生労働省では、以下のようにも言っています。

『働く人が仕事上の責任を果たそうとすると、
仕事以外の生活でやりたいことや、やらなければならないことに
取り組めなくなるのではなく、両者を実現できる状態のことです 』
 
両者を実現する
つまり、
仕事上の責任も果たしたうえで、仕事以外の時間も充実させる
ということです。


ところが、ワークライフバランスの話が出る際には、
「生活の時間を確保する」という点に話題が偏っているように思います。


そういう現状の中で、
『仕事以外の時間をとるために、仕事はそこそこやる』
『引き受ける仕事の量を減らす』
こうした態度を見かけることが少なくありません。

しかし、
これはワークライフバランスの考え方に合致していないのみならず、
この態度では、会社の、ひいては、
日本の明るい未来は見込めません。




「仕事の質と量を落とすことなく、仕事以外の時間も忘れずに」

そんな夢のような取組みを可能にするのは、
仕事の効率化・組織化能力向上付き合い残業の撲滅です。


プロの世界はますますシビアになる一方です。

真のワークライフバランスを実現するためには、
まず、自分の仕事で時間をとっている行動はなにかを明確にすることではないでしょうか。



参照HP:内閣府 仕事と生活の調和の実現に向けて
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/towa/index.html

残業を解消しよう⑦ 業務時間の計画・管理を見直そう

多少の例外はあれ、残業はできるだけしたくないというのが
働く人の本音ではないでしょうか。


労使双方が残業を避けたいのに長期間残業が解消されない場合、
業務時間の計画・管理に問題があるのかもしれません。


① 1日・1週間・シーズンの予定を立てていますか?
行き当たりばったりの仕事では
当然、『思いがけない』仕事が発生し、
残業になってしまうことが増えてしまいます。


② もちろん、ほとんどの方が予定を立てていると思います。
その予定はぎっしり詰まっていませんか?

予定は理想的な最短仕事時間ですから、
一日を予定でぎっしり埋めてしまうと、
まず間違いなく残業になります。

8割程度の予定を立てて、
なんとか1日で終わる
ものだと心しましょう。


③ 営業の人がどんどん仕事を受けてくると、現場の残業が増えていくことになります。
消化可能な仕事量は、
各仕事にかかる時間の合計 < 各人の労働時間の合計
の場合です。

現場で働く人は、各仕事にかかる時間を把握し、
あと何時間分の仕事なら受けられるか
という視点も持って、営業の人とすり合わせをしましょう。


残業を認可制にするのは、合う企業と合わない企業があります

残業に付き合い残業や習慣残業が多い場合、
何をする為に残るか詳細も記載しないといけないから、
会社が早く帰ることを推奨してくれるからという理由で
不要残業が減ることもあります。

一方、
残業したら届けを出さないと、残業代が出ないけれど、
一時間や二時間残っても、
残業代届は出しづらいという企業文化があると、
サービス残業が増え、働く人の不満が募る制度となってしまいます。



7回に渡って残業削減について思うところをお話いてまいりました。
寺尾会計でも残業削減と仕事の品質向上といった
トレードオフに悩みつつ改善の最中です。

皆様のご意見もぜひお聞かせいただければ幸いです。

残業を解消しよう⑥: 毎朝帰宅時間を決める

多少の例外はあれ、残業はできるだけしたくないというのが
働く人の本音ではないでしょうか。


労使双方が残業を避けたいのに長期間残業が解消されない場合、
業務時間の使い方・計画・管理に問題があるかもしれません。


慣性の法則にあるように、
すべての物体は、外部から力を加えられない限り、
運動している物体は等速直線運動を続けます。

同じように、仕事をしていると、きっかけがない限り、
ずるずると仕事をし続けてしまうものです。


私たちが仕事をしている環境は、
自分自身の思惑よりも「残業してしまいやすい」ようにできています。




ですから、朝、出勤前の、仕事モードに入る前に
帰る時間を決めておく
といいでしょう。

会社全体で取り組むなら、
朝礼で退社予定時間を一人ずつ公表してもいいかもしれません。



残業すると思ってやると、ダラダラ、ひいては質の低い仕事をやってしまいます。

どうせ残業だからと思ってやると、
定時まではおしゃべりが多く、
残業時間になってからようやく仕事をする
という事態にもなりかねません。



一日の終わりをきっちり決めて、
定刻の中で仕事をする習慣をつけることで
なくなる残業もあるのではないでしょうか。

残業を解消しよう⑤: 労働者が原因の場合

多くの企業の悩みのひとつに『残業』があるのではないでしょうか?


まだ解決途上であるのに解決策についてお話するのは
かなり心苦しいところがあるのですが、
皆さまのご意見もお聞かせいただければと思います。


先回は、組織構造・企業文化が原因の場合をあげました。
今回は、労働者が原因の場合について見ていきましょう。



①仕事が遅い

その仕事を初めて行う人の場合、
仕事が遅いのは仕方がありません。
不可欠な残業であると受け入れ、経験を積ませましょう。


一方、ある程度仕事の経験者であるのに仕事が遅い場合、
加えて仕事の質が低い場合には、すぐに改善行動が必要です。

孔子も言うように、学ぶ気のない者に教えるのは不可能です。

長くとも1年程度で大きな改善が見られない場合は、
やはり解雇対象に含まれてくるのではないでしょうか。



②仕事が面白い・趣味化

仕事が面白くてやり甲斐を見出している場合、
私は残業をしていても止めませんね。

やる気を出していると、応援したくなります。


ただし、仕事が趣味化していないかには気をかけます。

採算の取れない仕事・細かすぎる仕事・個人的な利益のみの
ための仕事など、
生産性の面で好ましくない仕事のやり方をしている場合には
他の従業員がいない時を見計らって声をかけます。

その際には、やる気を積極的に認めながら、
方向性を修正する方へ話をすすめます。



③目標・成果を重視

これは、真面目な人に多い理由かもしれません。


「もう少しやっておこうか」とか
「今日できることは明日に回さない」という考え方をすると、
体力や時間の限界まで仕事をしてしまうことになります。


また、仕事の目標が高かったり、高い成果を求められたりしても
上のような思考になり、残業が増えることになります。


何事もほどほどが良いあんばいですから、
これらの理由で長期・継続的残業が見られる場合には、
目標を下げたり、どんどん高い成果を求めないようにしたり、
上司からの期待を下げるようにしましょう。

求めれば得られる成果を得られないのは損のように見えますが、
持続可能でない成果は、むしろ得るべきではないでしょう。



④習慣残業

「いつも残業だから、定時に帰ると調子が悪い」
「定時が早退に感じる」

そんな習慣残業を減らすのは、仕事の可視化だと思います。

帰っても手持ちの仕事は停滞してこないことがわかれば、
今日は帰る・今日は残るといった判断を客観的に判断できます。


また、周囲が「あれ?今日は早いですね」といった声をかけると
プレッシャーになることもあるので、
「お疲れ様でした」と自然に挨拶するようにしましょう。



⑤家に帰りたくない

残業削減のモチベーションのない人に残業を減らしてもらうのは
中々難しいものです。

仕事があれば、どんどんまわしていってもいいでしょう。


この理由の従業員が「仕事が忙しい」というのを間に受けて
この従業員の仕事を他の人にまわすのはご法度です。

仕事が減っても、なんだかんだ理由をつけて残業しますから、
他の人の仕事量が増えるだけです。


仕事の質を見て、薄いと判断した行動は具体的に指摘していきます。

一ヶ月・一週間・一日の業務予定をたてさせるなど、
業務管理をしっかり行い、明日できる仕事は明日に回させましょう。


まず飲みにでも誘って
「ひょっとして家に帰りたくないのかな?」と
何気なく聞いてみてもいいでしょう。



⑥残業代が生活費になっている(生活残業)

これも、残業削減に大きくはばかる問題ですよね。

従業員の生活はプライベートの範ちゅうですから、
仕事中と違って「生活費をもっと節約して」とは言えませんしね。


会社ができることといえば、
残業はよくないという文化をつくることと、
企業倫理を身につけさせること、
業務管理をしっかりおこなうこと、そして、
残業代分をボーナスへ変換する仕組みくらいでしょうか。


例えば、月平均1時間残業減で、1000円支給といった具合です。

会社全体として残業が減ってくれば、
残業を悪とする企業文化も育ちやすくなるでしょう。


ただ、この仕組みの問題点は、
残業代目当てでない従業員にも同時に適用されるという点です。

本当に忙しくて残業している従業員から、
賃金体系について不満がでてくる可能性もあります。




いずれの理由にしろ、労働者が原因の残業の場合、
不要残業をしない企業文化づくりと、業務管理が重要になります。


不要な残業をしてしまう理由は従業員ごとに異なり、
また、複合的です。
その理由を分析し、焦らずひとつひとつ解決していきましょう。

残業を解消しよう④: 組織構造・企業文化が原因の場合

多くの企業の悩みのひとつに『残業』があるのではないでしょうか?


まだ解決途上であるのに解決策についてお話するのは
かなり心苦しいところがあるのですが、
皆さまのご意見もお聞かせいただければと思います。


先回は、トップが原因の場合をあげました。
今回は、組織構造・企業文化が原因の場合について見ていきましょう。



①特定の個人に仕事が集中している

仕事は、仕事ができる人に集中してしまうものですね。

しかし、特定の個人にしかできない仕事があるというのは、
特定の人が継続的に残業しなければならないということ以外に、
その人が抜けた場合、継続できなくなるというリスクもあります。


その仕事内容やスキルを他の人に継承することで、
将来的な残業削減になります。


役職やポジションが、能力を向上させることもありますから、
その仕事をこなす能力がある従業員が他にいないと思われる場合でも、他の従業員に任せることで、
残業削減だけでなく、
従業員のやる気・能力向上という相乗効果が期待できます。

もちろん、しっかりとしたバックアップを忘れないようにしましょう。


②仕事を追求しすぎる

製品チェックやHP作成など
どこまでやれば完成か、見極めにくい仕事をしていると、
どんどん完成度の高いものをつくりたくなることが往々にしてあります。

すると、残業になってしまうことがあります。


これは特に、経験の少ない仕事を行う際に起こりがちです。
止め時がわからないという状態ですね。

モノの完成度というのは、時間に比例せず、
ある一定の完成度合を超えると、逓減します。

経験の少ない仕事をさせる場合には、
経験者が仕事の完成具合や止め時を見極める必要があります。



③顧客都合に合わせすぎている

製造と営業が分離されている企業は特に、
営業が顧客の要求を聞き過ぎるところに問題がある場合もあります。

顧客満足度は重要ですが
「お客様は神様です」といった態度で、社内を省みないのは、
結局お客様にもご迷惑を掛る
ことになります。


製造と営業の人で、互いのスケジュールの進捗・停滞度合、
一般的にかかる製造時間を把握しておくなど、
仕事は分離しても、社内が分割しない仕組みを整えましょう。




④残業時間の方が集中できる

営業時間中は接客や電話、部下からの質問などで
どうしても仕事時間が途切れてしまうものです。

仕事が途切れてしまえば、再開するのにも時間がとられ、
通常以上の時間がかかってしまいます。


ですから、常にとはいかずとも、
営業時間中でも仕事に集中できる仕組みをつくりましょう。


例えば、 集中作業日を設定し、
その日は、電話には基本的に出ない、個室で自分の仕事をすすめるなどして
仕事に集中できる環境を整えたり、

部下からの質問は、基本的に上司の仕事にキリがつくまで受け付けない
ということができると思います。



⑤まわりが残業しているから、帰りにくい(付き合い残業)

これは、日本独特とも言える残業理由ではないでしょうか。

まず、トップが朝礼などで付き合い残業が全く不要である旨を
伝えましょう


そして、付き合い残業と思われる従業員に、
仕事の段取り・予定を確認し、指導していきましょう。


また、個人ができることとしては、
たとえばデスクに「No残業運動実施中!」と紙を張っておく、
「火曜日は定時で帰ります」などと周囲に話をしておくなど、
前もって周囲に「○○さんは残業をしないんだ」と
印象付けることが有効です。



一週間の予定をしっかり立てて、
上司に報告・了解を得ておけば、
周りより早く帰宅しても、一種の罪悪感を感じずに済むでしょう。



⑥暇な部署と思われないように (自己目的化)

これは、ヒト不足ぎみの中小企業では珍しい理由かもしれません。



不要な残業をしてしまう理由は従業員ごとに異なり、
また、複合的です。

その理由を分析し、焦らずひとつひとつ解決していきましょう。

残業を解消しよう③: トップが原因の残業

多くの企業の悩みのひとつに『残業』があるのではないでしょうか?


まだ解決途上であるのに解決策についてお話するのは
かなり心苦しいところがあるのですが、
皆さまのご意見もお聞かせいただければと思います。



残業の解消に向けての第一歩は、残業を分類することにあるように思います。


今回は残業してしまう理由という視点で分類し、
それぞれについて解決策を考えてみましょう。


まずは、トップが原因の場合をあげてみましょう。

①トップが残業を好意的に捉えている

「残業する人は、仕事を頑張っている人だ」とトップが捉えていると、
従業員もそれに感化される形で、残業をしてしまう。
一方、「残業する人は、仕事が遅い」と捉えていると、
残業時間は短くなる傾向が認められると内閣府の調査で判明しました。

朝日新聞 DIGITAL 長時間労働の職場、上司が残業に好印象 内閣府調査
http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312210388.html


これはトップダウンが効いているという点でまとまっている組織だと言えますね。

この場合、トップが考え方を変えて言動で示せば、
じわじわと残業が減ってくるでしょう。

朝礼などでのあいさつの際に時間内で仕事をすることを褒める
(残業を否定するのは、必要があって残業している従業員の否定にもなってしまうので、避けるべきでしょう)
残業をしている従業員に「がんばっているね」とポジティブな声をかけるのではなく、
「あと何分くらいかかるか」といった時間管理を意識させる声かけをするなど、
地道に、そして、意識的に発言していくことが解決につながります。



また、トップ自身が残業なしを実践することも重要です。

とはいえ、トップや管理職はどうしても仕事が多いものです。
そんなときは、一時間程度、自宅へ帰るなど、職場を一旦離れてみてはいかがでしょうか。

上司が席を外せば、従業員も帰りやすくなります。
また、職場から離れることで、息抜きの効果も期待できますし、
残業しようとしていた仕事が実は翌日でも充分と気がつくこともあります。



②残業した方が評価が高くなる(アピール残業)

①と似ていますが、こちらは昇給や昇進など、
目に見える形で残業がプラスに働く(あるいはプラスに働くと
従業員が感じている)場合です。


この場合は、まず、評価制度を見直します。
評価基準をリスト化して、残業をしても昇給等へ効果がないことを示します。

難しい部分もありますが、働いた時間ではなく、働いた質を評価するよう意識していきましょう。



③仕事を早く終わらせると、新しい仕事を追加される。

これは陥りやすいところですね。
仕事の手が空いた人に仕事をまわすのはある意味で正常な行為だからです。

自分の仕事を労働時間内に終わらせても新しい仕事を回されれば、残業になってしまいます。

この場合、問題は、残業時間だけでなく、
従業員が効率よく仕事をしようとするモチベーションを下げてしまうということにもあります。


この理由での残業は、労使双方に害があるため、
必ず改善したいところです。


解決としては、
トップや上司が部下の仕事内容、仕事力をよく把握した上で
仕事を出来るだけ前もってふっておくこと。

すなわち、上司の管理力をあげる、また、
管理する仕組みを整えるということにあるように思います。




今回見た3つのいずれの理由にしろ、評価する際には、
可視化しやすい労働時間を主にするのでなく、
仕事の質を見るように心がけ、制度を整えることが重要です。


不要な残業をしてしまう理由は従業員ごとに異なり、また、複合的です。
その理由を分析し、焦らずひとつひとつ解決していきましょう。

残業を解消しよう②: 残業の時間限度

前回、雇用主・雇用者共に利があったり、繁忙期においては、
残業は決して悪とは言えないとお伝えしました。

とはいえ、そのような残業にも限度があります。


厚生労働省では、以下のように労働時間と健康被害について公表しています。

①1ヶ月に約45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、
業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まる。

②1か月間に約100時間、又は、
発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たり約80時間を超える時間外労働が認められる場合は、
業務と発症との関連性が強い。



これを一日当たりの平均で換算すると、
①1時間50分/1日 で、労働による健康被害の可能性が出てくる。
②4時間10分/1日 または、継続的な3時間20分/1日
健康被害は労働による可能性が高い。ということになります。
(1ヶ月24日で計算した場合)


ですから、雇用主・雇用者共に利がある場合や繁忙期のように、
残業を是とする場合であっても、
繁忙期で1日12時間以上、通常であれば、1日11時間以上
継続的に働くことのないように注意が必要
です。


参照HP:厚生労働省 過重労働による健康被害を防ぐために
http://kokoro.mhlw.go.jp/brochure/worker/files/H22_kajuu_kani.pdf

残業を解消しよう① : 残業は全廃すべきか

多くの企業の悩みのひとつに『残業』があるのではないでしょうか?
寺尾会計でも年度目標に定めたり、プロジェクト活動にしてみたりしていますが、
なかなかなくなるものではありませんね。

まだ解決途上であるのに解決策についてお話するのは
かなり心苦しいところがあるのですが、
皆さまのご意見もお聞かせいただければと思います。


残業の解消に向けての第一歩は、残業を分類することにあるように思います。

分類する視点はいくつかありますが、まず理解しておきたいのは、
残業は必ずしも悪ではない』ということです。


働いてほしいと思う雇用主と、働きたいと思う雇用者がいて、
双方にとって利があるとすれば、法定労働時間外であるからといって、
残業を排除しなければならないというわけではありません



また、繁忙期と閑散期がある職種における繁忙期の残業については、
是とした上で、効率化を検討していくべき
でしょう。

繁忙期に臨時で人を雇うという考えもありますが、
特別な能力のいる仕事であったり、その人に対する研修などへの時間を考慮すると、
社長と従業員とが結束して乗り越えていく一種の山場であると見るべきではないでしょうか。